都会で働く家庭医のつぶやき

大阪の診療所や中小病院で働く総合診療医です。少しでも多くの人に家庭医の仕事内容や考え方を知ってもらうために広報しています。大学の外にいるからこそできる研究があるをモットーに、気になったことを書いていきます。

医療業界はなぜ電子化が遅れるか?

医療のIT化が遅れている原因は何か?

この記事見て思ったんです。なぜ普及しないのかなって?

この記事では医師とSEとのコミュニケーションがうまくいってないからって言ってました。

原因の根本はコミュニケーション不足なのでしょうか?

この原因を解明するには、IT化というものは一般のひとにすごく浸透しにくいものだということを理解しなければならないと思います。

人はものすごくめんどくさがりで、ワガママです。

Webページでも読み込みに7秒以上かかるとイライラし、ブラウザはIEしか使いません。(そもそもブラウザという言葉を知っている人は少数派です)
しかも、パソコンでエラーがでれば、故障したといいパソコンのせいにします。「これだからパソコンは使えない、私には難し過ぎる。」と言い、自分で原因を調べようとは微塵も思いません。

しかし、携帯は普及しています。
iPhoneも普及の兆しが見えています。

なぜでしょう?

それは以下の3つの理由があるからです。

  • みんなが使っているし、携帯電話の存在を皆が知っている。
  • エラーが起こりにくい。
  • なんの説明を受けないでも、操作が簡単なためすぐに使える。
頭をほとんど使わなくても操作できるんですよ!
そして、カスタマイズなんてしないんで故障もしないんです!
しかも、みんな持ってるから自分も持たなきゃいけないというプレッシャーがあります。

ここで、パソコン世帯普及率を見ると意外とパソコンは浸透しているなと感じます。しかし、多くの世帯ではパソコンはほぼお飾りとなっていると思われます。みんなが持ってるから持ってるだけで・・・。そして、インターネット利用率ですが、1ヶ月間の私的利用したことがある人が53.9%と思いがけなく低いw

まだ、日本の多くの人がパソコンは難しく自分には扱えないものと思っているのではないでしょうか?

こんな状態で電子カルテが普及しますか?

医師は多忙です。今の業務でも精一杯です。そこに電子化。パソコンも使えないのに・・・。
こんな開業医の人が電子化をするはずがありません。無理です。めんどくさすぎます。時間がかかりすぎます。他の職種でも個人経営なら電子化していないところがほとんどではないでしょうか?

というか、電子化に全力で抵抗すると思われますw

コミュニケーション不足とかそういう問題じゃないんです。ほとんどの人はパソコンなんて使いたがってないんです。

これを打破するにはどうすればいいか?

もう小学校の頃からパソコンに慣れさせるしか・・・。
あるいはパソコンが劇的に使い易くなるしか・・・。

現時点で全員が電子化とか無理!
今の電子カルテすごく見づらいもん。UIが古くさい。(勝手な意見ですが)

まぁ、打破する方法といえば間に業者を挟んで、紙のレセプトを電子カルテに打ち込みしてもらうぐらいですかね。

本当に思うけど、学校で社会の授業とかやってる暇あったらパソコンでググること覚えた方がよっぽど社会勉強になるよ。